新海誠監督の作品の魅力は何?「君の名は。」の秘話とは!?

どの世界でも移り変わりと言うのは早いものです。

アニメ界も、ついこの間まで宮崎アニメが一大ブームになっていたと思ったら、今では新海誠監督のアニメーションが大ブームとなっています。

新海誠監督は、現在までに7作品のアニメーション映画を作成して、いずれもヒットしているすごい人です!

そんな新海監督は一体どうやってここまで来たのか?また、その作品の魅力とは何なのでしょう?

出来るだけ解りやすく紹介していきます!

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新海誠ってどんな人?

新海誠

深海誠
出典:https://ja.wikipedia.org/

プロフィール

本名    新津 誠
生年月日  1973年2月9日
出身地   長野県・小海町

略歴

1995年  日本ファルコム入社
2000年  第12回CGアニメコンテストでグランプリ
2002年  第1回新世紀東京国際アニメフェア21公募部門 優秀賞
2004年  第59回毎日映画コンクールアニメーション映画賞
2007年  イタリア フューチャーフィルム映画祭  最高賞受賞
2011年  第八回中国国際動漫節「金猴賞」優秀賞 受賞
2013年  ドイツシュトゥットガルト国際アニメーション映画祭「ITFS」長編映画部門 最優秀賞 受賞

その他、受賞歴多数

新海誠のアニメーションのすごい所とは?

新海誠監督のアニメーションのすごい所は、何といっても背景美術が恐ろしく美しい所です。

今まで見てきたアニメのレベルからすれば、もう実写に近いくらい細かく描写されていて、思わず背景画に見とれてしまうくらい素晴らしいです。

美しい背景だけでも、新海誠監督のファンだと言う人もいるのでは無いでしょうか。

これだけ背景にこだわるのは、自身が思春期の苦しかった時期に、風景の美しさに救われ、励まされてきた経験から、そういう感覚を是非映画に込めたいと一貫して思っているそうです。

背景画がすごいだけでも、他のアニメには無い十分な要素ではあるのですが、それに加えてストーリーがまた独特のラブストーリーで、他には無い要素となってます。

主に扱ってるテーマが、思春期の心の揺らぎです。

新海誠監督は、自身の映画を「こんな感じで観てほしい」と言う理想はもって無くて、明確に「この気持ちを分かってほしい」と思って作ってるそうです。

なので、観る人にとってはその時は「つまらない」と感じる人もいるかも知れない。

けど、また違う日に観たら「すごく面白い」と感じるかも知れないと言う、そんな微妙な心の揺らぎを大事にしている作品なので、大事なのは作品との出会い方なんだと言っています。

今までこんな微妙な心理描写をしたアニメーションも、なかなか無かったと思います。

そう言う繊細で美しいストーリーと、背景美術の美しさが見事にマッチしている所が新海アニメが大ヒットしてる要因だと思います。

そんな新海誠監督は、一体どうやってアニメーションを作るようになったのでしょうか?

新海誠とアニメーション制作の出会い

新海誠監督は、もとからアニメーション制作に関わっていた訳ではありません。

始めはゲーム制作会社に大学在学中にアルバイトとしてで働いて、卒業後そのままそのゲーム制作会社に就職します。

そこで、ゲームのオープニングムービーなどを制作しているうちに、アニメーションに興味を持ち、自主製作します。

それが、1998年に製作した「遠い世界」という作品で、それがeAT’98にて特別賞を受賞します。

これが新海誠監督にとって、アニメーション作家としてのデビューとなります。

その後、2000年に製作した「彼女と彼女の猫」で、12回CGアニメコンテストでグランプリを獲得して、コミックス・ウェーブ・フィルムへ入ります。

コミックス・ウェーブ・フィルムは現在新海監督が所属している、日本の映画製作会社です。

作品作りの環境が整った事から、そこから新海誠監督の快進撃が始まります。

2002年  ほしのこえ

「ほしのこえ」は、新海誠監督が監督・脚本・演出・作画・美術・編集などほとんどの作業を一人で行った約25分のフルデジタルアニメーションです。

こちらは、第1回新世紀東京国際アニメフェア21公募部門で優秀賞を始め、他のコンテストでも多数受賞されています。

2004年  雲のむこう、約束の場所

「雲のむこう、約束の場所」は、新海誠監督初の劇場長編作品となっていて、前作よりもかなりクオリティが高く、ストーリーにも凝った秀作です。

こちらは、第59回毎日映画コンクールアニメーション映画賞を、「ハウルの動く城」などを抑えて受賞しています。

2007年  秒速5センチメートル

「秒速5センチメートル」は連続短編アニメーションで、この作品から群を抜いて背景画が美しいと感じます。

単館上映でありながら半年に及ぶロングランを記録するなど、根強い人気を誇りました。

イタリア フューチャーフィルム映画祭 「ランチア・プラチナグランプリ」(最高賞) を受賞するなど、海外からも評価されます。

2011年  星を追う子ども


「星を追う子ども」は、ファンタジー要素が強くアクションシーンを増やすなど、日本アニメの伝統的な作り方で完成させる事を意識した作品です。

所どころに宮崎アニメへのオマージュが散りばめられていて、いつもの新海誠監督とは少し違ったテイストが楽しめる作品となってます。

こちらは、第八回中国国際動漫節「金猴賞」優秀賞などを受賞しています。

2013年  言の葉の庭


「言の葉の庭」は、メディアの露出やTwitterのつぶやきなどから評判が広まり、公開3日間で興収3000万円というヒットを記録します。

当初は3週間の上映期間でしたが、あまりの人気の為、多くの劇場で上映が延長されるなど、推定総額1億5000万円にもなり、過去の新海アニメーションの中では最大のヒットとなりました。

ドイツシュトゥットガルト国際アニメーション映画祭「ITFS」長編映画部門 最優秀賞など、他にも数々の賞を獲得しています。

2016年  君の名は。

「君の名は。」は2016年8月公開の作品です。

公開3日間で、動員95万人以上で興収12億円を超えるなど、早くも興収10億円を突破する大ヒットとなってます。

このまま行けば、最終的にいくらになるのか楽しみです。

このように、アニメ制作に集中してからは、立て続けにヒットを連発して一気に国内外でその名が知れ渡るようになりました。

今後は新海誠監督の作品が時代のスタンダードになって行くのか、また違ったアニメーションが出てくるのか、いずれにしろ今後もアニメ界は廃れる事はなさそうです。

「君の名は。」の製作秘話とは?

「君の名は。」は、公開後8日間で観客動員数212万7800人、興行収入27億1200万円を記録するなど、新海誠監督の中でも過去最高の作品となってます。

そんな「君の名は。」のちょっとした制作秘話を紹介します!

タイトルについて

「君の名は。」と言うタイトルは、最初から頭にあったそうですが、過去に同名の有名な作品があったので候補からは外していました。

なので、最初は小野小町の和歌から「夢と知りせば」とか、「かたわれの恋人」と言う仮のタイトルがついていましたが、脚本をよく読み直してみたら、劇中で主人公が「君の名前は」って何度も叫ぶ事から、もうこれ以外にあり得ない!となったそうです。

声優に神木隆之介を起用した理由

主役の「立花瀧」の役柄は非常に難しい役だと言う事と、心が男女で入れ替わるので「女性役を演じても観客に好まれる人」となると、声優経験が豊富で評価も高い神木隆之介さんしかいないと、新海監督自ら指名したと言う事です。

神木さんは宮崎アニメや細田守さんのアニメにも出演していて、今回新海誠監督の作品に出演した事により、日本を代表するアニメ作家全ての作品に出ている唯一の俳優となります。

そしてヒロインの「宮水三葉」役の上白石萌音さんは、オーディションで決まったのですが、決めた理由が面白いです。

新海誠監督自身、劇中のセリフ「来世は東京のイケメン男子にしてください!」って叫ぶような女の子のイメージがつかめないでいましたが、上白石さんに会った時、「叫ぶかもな」と思ったのが決めてだったそうです。

また、前作「言の葉の庭」のヒロイン「ユキノ」の声を演じた花澤香菜さんを、今回の「君の名は。」で、同じ「古典教師」役として使ってるのは、新海誠監督から過去作品ファンへのサービスと言う事です。

作画監督の安藤雅司の影響

安藤雅司さんは、ジブリアニメやヱヴァンゲリヲンなども手掛ける、アニメ業界ではかなり有名な人です。

最初新海誠監督がオファーした時、安藤さんはかなり迷っていて、3,4ヶ月してからようやくOKを貰えました。

しかし、一旦引き受けるとその仕事内容は圧巻で、飲み会へ行く時間も惜しんで製作に打ち込むなど、その鬼気迫る姿勢に新海監督も命がけで作品に向き合うすごさを感じたそうです。

新海誠監督はジブリのような巨大なスタジオを持ってないので、毎回毎回人が入れ替わって仕事をする為、全く同じメンバーで作品を作る事は基本ありません。

なので、今回の安藤さんとの仕事で得た「物作りの態度」を、少しでも次の作品に持ち込めればいいなと語っています。

劇中歌の「RADWIMPS」について


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新海誠監督が「RADWIMPS」を知ったキッカケは、35歳くらいの時にイギリスへ留学してた時に、知り合いの女子大生から教えてもらったのが最初でした。

聞いてすぐにその新しい音楽性にハマってしまい、そこから夢中になっていったそうです。

「君の名は。」では、4曲も歌詞入りの曲が劇中で流れるなど、少し過剰かな?と言う思いもあったようですが、今回の作品は話もテンポも「過剰な物を作りたい」と言う思いがあったので、ガンガン使う事を決めたようです。

今までには無い新しい作画システム

今までは「Photoshop」を使って作画して、音声編集ソフトで声を録り、ビデオ編集ソフトでつなげるという作業の流れでした。

しかし、今回から海外のメーカーの「Storyboard Pro」という絵コンテソフトを使った事で、かなり作業がしやすくなったそうです。

この「Storyboard Pro」を使うと、描いたものがそのまま絵コンテになり録音もできるという優れもので、今まで別々にやってた事が同時にできるので重宝してるようです。

今回の作品が最高傑作な理由とは?

新海誠監督は、過去の作品で得た色んな経験により、今回からようやく「今ならできる」と言う自信が持てたと語っています。

過去の作品では、「切なさ」や「悲しい」と言った感情を揺さぶる事は出来ても「笑わせる」事は出来ないと思っていました。

しかし、過去作品を作った経験と自らの心の変化の影響か、ようやく「喜怒哀楽の全方位を揺さぶることができる作品を作れる」という感覚が湧いてきて、今回の脚本の製作に臨んだそうです。

その自信の通り、見事「君の名は。」は大ヒット!

要するにこの作品は、過去作品の経験から「喜怒哀楽の全方位を揺さぶるコツ」をつかんだ、新海作品の集大成であり、ある意味完成系だから最高傑作と言う訳です。

新海監督自身も、この作品は間違いなく代表作になると発言しています。

今後、「喜怒哀楽の全方位を揺さぶるコツ」をつかんだ新海監督の作品が、どんな進化をしていくのかますます楽しみです!

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