現在、現代アート界で最高の評価を得ているダミアン・ハースト。
まだ存命しているのにもかかわらず、その作品が最高110億円もの値がついたすごいアーティストです!
そんなダミアン・ハースト作品は、ペインティングからインスタレーションまで幅広くあります。
その作品の魅力は一体何なのでしょう?
また、意外と知られていない結婚生活や子供などはいるのでしょうか?
ちょっと気になったので調べてみました!
目次
ダミアン・ハーストってどんな人?
ダミアン・ハースト
プロフィール
生年月日 1965年6月7日
出身地 イギリス・ブリストル
学歴 ゴールドスミス・カレッジ
略歴
1991年 初個展
1993年 イギリス代表として、ヴェネツィア・ビエンナーレに出展する
1995年 ターナー賞を受賞
2007年 8601個ものダイヤを骸骨に散りばめた作品’For the Love of God’を制作
2008年 サザビーズオークションにて、史上初めて自作を出品して話題になる
2013年 世界各地で個展やグループ展を開催
ダミアン・ハーストのすごさや驚きの資産額は?
ダミアン・ハーストの名前が一躍有名になった作品は、1992年に発表したサメがガラスケースの中でホルマリン漬けにされた作品です。
この作品は、4.3mのイタチザメをオーストラリアの漁師に6000ポンドでとって貰ったもので、開催した展覧会で5万ポンドで売れました。
これより5年間はずっとこの手法で作品を作り続け、1995年には現代美術の最高峰である「ターナー賞」を受賞しています。
その後も、白いキャンバスにカラフルな色の斑点を規則的に配する”スポット・ペインティング”や、巨大な人体模型などの立体作品などを制作し話題を集めます。
その中でも、とりわけ話題になったのが、8601個ものダイヤを骸骨に散りばめた作品「For the Love of God」と言う作品です。
この作品は、18世紀に実在した男性の頭蓋骨を利用したもので、製作費は33億円もかかっているのですが、売れた価格は約110億円です!
この作品は、当時かなりニュースでも流れていたので、現代美術にあまり詳しくない人でも何となく知ってるのではないでしょうか?
また、2008年に自身の作品をギャラリーなどを通さずに、直接サザビーズのオークションにかけると言った、前代未聞のパフォーマンスを行い総額で211億円もの金額を得ています。
これは、一芸術家における歴代最高落札額と言う事です。
当然、現存する芸術家の中ではダントツで長者番付1位です!
ダミアン・ハーストの作品の良さとは?
ダミアン・ハーストの作品が、なぜこれほど評価されてるのでしょうか?
一連のモチーフを見ても分かるように、扱ってるテーマが「死」です。
「死」はこの世で唯一「絶対的」な物であり、生物である限り避けられないものです。
その永遠不滅のテーマに、真正面から向き合ってるアーティストがダミアン・ハーストです。
ダミアン・ハーストは、
「7 歳のころから死についてはずっと考えていた。誰もが死ぬとはじめて知ったとき、そのことが頭から離れなくなった。(中略)そのころ祖母を亡くした。彼女とは親密だった。親に話すよりもずっといろいろなことを話していた。(中略)「おばあちゃんは死んだらどうなるの?」と聞いたこともある。死を避ける方法が きっとあるはずだと思っていたけど、7歳のときにそれは不可能だと知った。」(美術手帖2012年7月号より引用)
と語っているように、幼い頃から「死」について関心があり、その思いが大人になっても消えず、そのまま自分の作品のテーマとなって行きました。
普段、私達はあまり「死」と言うのを意識しないで生きてます。
むしろ、そういう物はなるべく避けたり、目を向けないようにします。
だからこそ、ダミアン・ハーストの「死」を扱った作品を見る事で、ハッとさせられたり、いつかは必ず訪れる「死」について客観的に考えさせられるのだと思います。
ダイヤを使った作品などは、華やかさばかりが取沙汰されますが、作品自体はいたって真面目で哲学的な要素を多分に含んでいます。
そう言った知的なコンセプトが、世界で評価されてる要因だと思います。
そんなダミアン・ハーストは、どういう経緯で現代美術の道へ進んだのでしょうか?
ダミアン・ハーストと現代美術の出会い
ダミアン・ハーストは、幼い頃に両親が離婚するなど、複雑な家庭環境で育ち、万引きなどで補導されるなど荒れた幼少期を過ごしています。
しかし、子供の頃から美術が好きで、最初はリーズ美術大学に入学して本格的に美術を学び始めます。
その後、1986年からゴールドスミス・カレッジに進んで、さらに熱心に美術を勉強していきました。
ダミアン・ハーストはこの学生の間、「遺体安置所」で働いていて、この時の経験が後の作品にインスピレーションを与えたと言われています。
そして、そこで出会った仲間と荒廃したビルを会場にして、1988年に自主企画会”Freeze“を企画して大々的に開催します。
この時に集まった仲間が後に、「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」と呼ばれるようになります。
そして、この展覧会を見に来ていた、美術コレクターのチャールズ・サーチ氏によって、ダミアン・ハーストが見いだされる事になります。
ちなみにこの展覧会には、他にも色んなイギリスアート界の大物が来ていましたが、それらの橋渡しをしてくれたのは、ゴールドスミス・カレッジの教授でした。
こういう教授の橋渡しが無ければ、ひょっとしたらダミアン・ハーストは、その他大勢の中に埋もれていたかも知れませんね。
運命を変える作品
そして、この展覧会から2年後に、ダミアン・ハーストの運命を変える「1千年」と言う重要な作品が発表される事になります。
これを見たチャールズ・サーチ氏は、完全にダミアン・ハーストの才能とアートシーンの世代交代を確信して、その後はパトロン兼マネージャー的な役割を担うようになります。
この「1千年」と言う作品は、片側に設置された白い箱には蛆が培養されていて、もう片側には牛の頭が設置されています。
ハエは牛の頭に卵を生み、蛆は牛の頭を食べて蝿になります。
また牛の頭が設置されたボックスの上部には殺虫灯が設置していて、死んだハエはそのままになっていると言う作品です。
「生と死」をテーマとするダミアン・ハーストらしい作品ですね。
この作品をキッカケとして、ダミアン・ハーストは後のサメのホルマリン漬けへとステップアップしていきます。
死と言うテーマを今までこんな風に表現した作家はいなかったですし、とても斬新かつ驚きを持って、現代美術界に迎え入れられました。
現在もダミアン・ハーストは、現代美術界で最も重要なアーティストとして捉えられています。
これからどんな作品を発表するのかは分かりませんが、今後も「死」と言う永遠不滅のテーマで私達を驚かせてくれるでしょう!
そんなダミアン・ハーストの作品を存分に楽しめる作品集が以下のものです。
しかし、日本語で詳しく知りたい方は美術手帖 2012年 07月号 [雑誌]が一番詳しくダミアン・ハーストの作品について書かれています!
ダミアン・ハーストの嫁や子供は?
ダミアン・ハーストには、現在3人の子供がいます。
性別はわかりませんが、2016年の時点ではコナー18歳、カシアス13歳、そしてサイラス8歳との記述がありました。
そして、この子供たちを生んだ母親はマイア・ノーマンで、ダミアン・ハーストとは2012年に離婚しているようです。
マイア・ノーマンはアメリカ人で、ファッションデザイナーをやっています。
恐らく夫婦はアメリカとイギリスに別々に住んでいて、子供たちは母親と一緒にアメリカで育っているようです。
そして、ダミアン・ハーストと別れた理由は、どうやら嫁のマイア・ノーマンの浮気が原因みたいです。
ティム・スパイサーという元軍人に恋をしたマイア・ノーマンが、密会を重ねていてついにハリウッドでキスしている写真を撮られて発覚したようです。
この事で、ダミアン・ハーストはかなり苦しんだと言われています。
そしてその後、どういう経緯で離婚したかは分かりませんが、現在ダミアン・ハーストはその年に出会ったモデルのケイティ・キートと付き合っているようですね。
ケイティ・キートは2017年で26歳になる若いモデルです。
現在はモデル以外に演技の勉強もしていると言う事なので、将来は女優としてデビューするのかも知れません。
これから2人が結婚するのかどうかは分かりませんが、これからダミアン・ハーストの作品がどんな展開を見せるのか楽しみでもあります。
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終わりに
現在、現代アーティストでは最高の評価を得ているダミアン・ハーストですが、私生活は意外にも妻に浮気されて苦しめられていました。
人生やはり何事もすべてうまくは行かないと言う事ですね・・・・
しかし、そんな状況も恐らくダミアン・ハーストなら何かしらの作品へと昇華させてしまうと思うので、今後の作品発表が楽しみです!