シンディー・シャーマンは、1970年代後半にデビューして以来、ずっと第一線で活躍して来ました。
現在その写真は、クリスティーズのオークションで軽く億を超える価格が付いています。
2016年の高松宮殿下記念世界文化賞で、シンディー・シャーマンが受賞されるなど、その芸術性は非常に高く評価されています!
そんなシンディー・シャーマンの凄い経歴や作品の魅力、気になる結婚などの情報を紹介したいと思います!
目次
シンディ・シャーマンってどんな人?
プロフィール
生年月日 1954年1月19日
出身地 アメリカ・ニュージャージー州
学歴 ニューヨーク州立大学(美術専攻)卒
略歴
1976年 初個展
1977年 ”Untitled Film Stills”シリーズで一躍注目を浴びる
1980年 大判カラー写真を使用して“アンタイトルズ”シリーズを作る
1985年 恐怖を表現する作品を制作し始める
1992年 性の問題を手掛けた「セックス・ピクチャー」シリーズを展開する
1995年 ニューヨーク近代美術館が”Untitled Film Stills”シリーズのAPを一括購入
2007年 クリスティーズNYで”Untitled #92, 1989″ が約2億5300万円で落札
2011年 ”Untitled #96″に3億8900万円の値が付けられる
2016年 高松宮殿下記念世界文化賞「絵画部門」受賞
シンディ・シャーマンのすごい所とは?
今では当たり前のようにセルフポートレートの手法で、アーティスト活動をしている人は多いですが、その走りはこのシンディー・シャーマンです。
もともと絵画を専攻していたシンディー・シャーマンですが、大学卒業前には写真に転向し、大学卒業後すぐに個展を開催しています。
また、写真に転向した理由については「写真で撮れるものを何時間もかけてコピーする必要がない。その時間を、私はコンセプトに費やせる」と語っています。
この時代の若い時期に、すでに「コンセプトで作品を作る」事を意識している事に、芸術家としての才能が見て取れますね。
そして、その時期の作品は今でもライフワークとなっている、“Untitled Film Stills”シリーズです。
このシリーズは、一言でいうなら「仮想のスティール映画写真」と言えます。
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当時で言えば、 マリリン・モンローやソフィア・ローレンなどが出演している映画のワンシーンを、シンディー・シャーマンが出演女優そっくりに扮装して撮影すると言った感じです。
最初はモノクロでしたが、80年以降はカラーで撮るようになります。
作品の評価
このシリーズは、ちょうどアンディ・ウォーホルらが活躍した時代とも重なり、ポップアートの流れの一部として受け入れられ、高く評価されました。
要するに、映画や広告、ファッションやアダルト関係などを作品に取り込むことで、メディアが作り上げた固定観念を、自らの肉体を使って「現代アート」として作品化しているのです。
なので、シンディ・シャーマンを「写真家」と言うよりは、「現代美術アーティスト」と言った方がいいのかも知れません。
また、日本でも森村泰昌さんが似たようなシチュエーションで作品を作っていて、ほとんどが有名人や絵画のパロディーになっていて、非常に面白い作品が多いです。
しかし、写真でポップアート的な要素を組み込んだ作品を作ったパイオニアは、シンディ・シャーマンです。
森村泰昌さんについては、こちらの記事をどうぞ!
シンディ・シャーマンの作品の展開と価格の高騰
“Untitled Film Stills”シリーズが一定の評価を受けて安定すると、次は「誰も評価できないような作品を作りたい」と、1985年頃から新たな試みを始めます。
今までのシチュエーションとは一変して、今度は「恐怖を表現する」作品を制作します。
扮装もマスクやシリコンを使って、より大胆にグロテスクになり、ジャンキーから死体まであらゆるタイプの人物に変身していきます。
その後は、さらに過激に「セックス・ピクチャー」シリーズと言った、性をテーマに人形やマネキンを使って、時にはグロテスクに、時にはオモシロおかしく表現しています。
あと、ピエロのような、ど派手で分厚い化粧をクローズアップした作品群の「マスク」シリーズなども展開して行き、この分野では不動の地位を築いて行きます。
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高騰する作品の価格
そして、その現代アーティストの地位の確立と共に、作品の価格は年々上昇して、今では1981年製作の「Untitled #96」が、オークションで3億1124万円の値がついています。
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他にも、シンディー・シャーマンの作品はオークションで億超えで何点か落札されています。
ちなみに現在、この「Untitled #96」は写真の価格としては歴代3位の高値となっています。(女性写真家としては1位です)
高額写真の2位はドイツの写真家、アンドレアス・グルスキーの「Rhein II」と言う作品で、なんと3億7408万円で落札されてます。
写真の画像はこちら
高額写真歴代1位の作品と、アンドレアス・グルスキーについてはこちらの記事をどうぞ!
一枚3億円?世界一高額な写真家アンドレアス・グルスキーとは?
しかし、シンディー・シャーマンが2016年の「高松宮殿下記念世界文化賞」に選ばれた事で、さらに作品の価値は上がると思うので、近いうちにシンディー・シャーマンの作品がオークションに出されたら、1位になるかも知れません。
そんなシンディ・シャーマンの魅力が堪能出来る写真集が以下の物です!
こちらは白黒写真がメインですが、プリントの仕上げに様々な試みがあって荒れているものやクリアなものなど、写真内容とマッチさせた斬新な手法でいつまで見てても飽きない写真集となっています!
シンディ・シャーマンは結婚して子供はいる?
シンディ・シャーマンは学生の頃から1979年まで、ロバート・ロンゴと付き合っていました。
ロバート・ロンゴは1953年生まれでシンディ・シャーマンより、一つ年上の人物です。
職業はニューペインティングアーティストや映画監督をやっています。
アーティストとしては1986年に、東京のスパイラルホールで「ロンゴ・イン・トーキョー」と言う題の個展を開催しています!
そして、映画では1995年に「JM」と言う映画を撮っています。
この「JM」はキアヌ・リーブス主演のSF映画で、あの北野武監督も出演しています!
何が原因で別れたのは分かりませんが、1979年に別れた後も友人関係は続いているそうなので、ケンカして別れた訳ではなさそうです。
そして、その数年後の1984年に、シンディ・シャーマンはフランス人の写真家兼映画監督のミシェル・オーダーと結婚しています。
やはり同業者との関係が多いようですね。
しかも、この結婚は知り合ってからわずか5ヶ月と言うスピード結婚だったようです!
このミシェル・オーダーと言う人の詳しい情報は探しても出てきませんので、とりわけ世界的に有名な映画監督という事でも無さそうです。
そうして15年の歳月が流れた1999年に、2人は離婚しています。
2人の間に子供がいたのかは調べても全く出てきませんので、恐らく子供はいなかったのではないでしょうか。
もし今後、新たな情報が出てきたらまた追記していきます。
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終わりに
シンディ・シャーマンは、ある意味写真をアートの領域にまで高めた第一人者だと思います。
その後は、その手法がほぼスタンダードとなって現在に至ります。
何でもそうですが、やはり一番最初にやったパイオニアはすごいと思います!
よくそんな発想が出てきたなと感心します。
そのパイオニアのシンディ・シャーマンが、今後どんな活動をしていくのか非常に楽しみです!