音楽にも色々ありますが、ピアノやギター、バイオリンに比べると一般人にとってはチェロは今一つ馴染みの少ない楽器です。
しかし、チェロは4オクターブの音域を持つ、人の声に一番近い楽器と言われていて、聞いてると何とも落ち着く音色をしています。
ヨーヨー・マさんはそんなチェロの世界で、ダントツの人気を誇っているすごい人です!
そんな世界最高峰のチェリストであるヨーヨー・マさんは、一体どんな風にして一流のチェリストとなったのでしょう?
また、今現在はどんな活動をされてるのでしょう?
ちょっと気になったので調べてみました!
目次
ヨーヨー・マってどんな人?
プロフィール
生年月日 1955年10月7日
出身地 フランス・パリ
学歴 ハーバード大学卒
略歴
1962年 ジュリアード音楽学院に入学
1963年 8歳でレナード・バーンスタインが行ったコンサートでアメリカのテレビに出演
1971年 ハーバード大学入学
1972年 「ウィーン・フィルハーモニー」を始め、数々の有名楽団と共演
1981年 初来日
1991年 ハーバード大学名誉博士号
2000年 シルクロードアンサンブル楽団創立
2010年 オバマ大統領より「大統領自由勲章」を授与される
グラミー賞16回、エミー賞2回受賞
ヨー・ヨー・マのすごい所とは?
ヨーヨー・マさんのすごい所は、ほぼ誰にも嫌われてない所じゃないかと思います(笑)
色々ネット検索しても、悪く書いてるものを見つける方が困難です。
演奏もそうですが、人間的にも優れた方で、ハーバード大学では人類学の学位を取得するなど、音楽を通して「人間そのもの」を見ようとしているのかも知れません。
昔、ニューヨークのタクシーに乗ったら、「こんにちは。ヨーヨーマです。タクシー強盗はやめましょう。」というテープがいつも流れていました。
と言う話もあるように、アメリカでも紳士の見本のような存在なんでしょう(笑)
音楽に関しても、演奏テクニックがもの凄いのは、幼少期からの活躍を見れば一目瞭然です。
大した事の無い8歳の子供が、一流の楽団と共演など出来るわけがありませんし、また、ジュリアード音楽院のレナード・ローズに、「君に教えることはもう何もない」と言われてハーバード大学へ行ったと言う、逸話があるほどの神童ぶりでした。
恐らく古典的なチェロの曲は、子供の頃に全てマスターしてしまっていたのかも知れません。
大人になってからは、チェロの可能性を広げるような様々なアプローチを試みて、さらに名声を得るようになっていきます。
そのうちの一つである、2008年に作った「プレイズ・ピアソラ」と言うアルバムは、世界中でヒットして、日本でもアルバム曲の「リベルタンゴ」がCMに使われると、瞬く間に話題となり大ヒットしました。
このアルバムは、ヨーヨー・マさんの重厚なチェロと、ピアソラのタンゴの名曲が絶妙に絡み合った珠玉の一枚です。
ヨーヨー・マさんはこのように、既存のチェロ曲にとどまらず、他ジャンルの音楽と融合させて見事に新しい道を切り開いています。
かつてピカソが、子供の頃に写実を極めて後に新たな美術の可能性を探って行ったように、ヨーヨー・マさんもこれから増々新しいチェロの可能性を開拓して、後世に語り継がれる巨匠へと突き進んでいくと思います!
ちなみに、ヨーヨー・マさんが愛用しているチェロは、ヴェネツィアのモンタニャーナによる1733年製と、1712年製のダヴィドフ・ストラディヴァリの2台のチェロを愛用しています!
そんなヨーヨー・マさんが、チェロを始めるきっかけとは何だったのでしょう?
ヨーヨー・マとチェロの出会いとは?
ヨーヨー・マさんは、オーケストラ指揮者で作曲家の父親と、声楽家の母親の間にフランスで生まれました。
この時点で、もうすでに音楽をやる運命にあったと言えますね(笑)
4歳年上には姉のヨウチョンがいて、彼女もバイオリンとピアノを演奏する音楽家なので、まさに音楽一家のエリートとして生まれた訳です。
チェロは4歳から、作曲家の父親から英才教育を受けます。
他にもバイオリンやヴィオラを習ってましたが、最終的に自分でチェロを選択したようです。
4歳から始めたにもかかわらず、1年後の5歳の時には観客のいる前で演奏するなど、呑み込みが早く、すでに非凡な才能を発揮していました。
両親は共に中国人で、ヨーヨー・マさんが7歳の時にジュリアード音楽院に入る為、アメリカに移住します。
ジュリアード音楽院に入って、さらにその才能は伸びていき、わずか8歳でレナード・バーンスタインと言うアメリカのスター音楽家の元で、鮮烈なデビューを飾ります!
この辺は日本人天才バイオリニスト、五嶋みどりさんの幼少期の逸話と似ているものがあります。
このデビューをきっかけとして、世に出たヨー・ヨー・マさんは、その後もただのクラシックにとどまること無く、色んな音楽とコラボして新しいチェロの可能性を引き出す天才チェリストとして、世界中から称賛されて続けています!
ヨーヨー・マの人間性や現在の活動
自分の音楽的才能に溺れる事無く、常に新しい物を模索して発表し続ける精神は素晴らしいの一言です。
それはネットの書き込みに、ヨーヨー・マさんを悪く書く人がほとんどいない事でも証明されています。
なので、音楽的な事と言うよりも、ヨーヨー・マさんからはその人間性から深く学べる事が多いと思います。
例えば、2011年に関東大震災が起きた時、その情報を聞いたヨーヨー・マさんはすぐさま「For the People of Japan」というプロジェクトを立ち上げ、バッハの「無伴奏チェロ組曲」(部分)の演奏を届けてくれました。
そして、メッセージに
日本の人々が大変な状況にある今、私は一人のアーティストとして、芸術や文化の在り方について深く考えさせられています。
文化/芸術は、このような過酷な現実に直面している人々の痛みを少しでも和らげることができるのだろうか
東京在住のある友人は、この疑問にこう応えてくれました。「自分が適切だと思ったことをためらうことなく実行するべき。行動しなければなにも始まらないのだから。」
私は、この映像によって、日本に住む皆様に少しでも心の安らぎがもたらされることを切に願っています。(ヨーヨー・マ)
と言う、言葉を贈ってくれています。
この曲はチェリストの「バイブル」といわれる程の重要な作品であり、ヨーヨー・マさんがチェロを始めた4歳のときから日々演奏してきた、とても大切な曲です。
その大切な曲を被災者に向けて、せめてもの慰めになるように、自分の出来る精一杯の方法で届けてくれました。
何かあった時、すぐさまこういう行動をとれるのは、音楽家としても人としてもやはり優れた方だと思います。
例え何か特別な技術が無くても「自分にできる範囲の事」で、人を助けたり励ましたりする精神は、本当に素晴らしいと思いました。
ヨーヨー・マの最近の活動
そして、現在のヨーヨー・マさんの活動は、変わらず世界中で演奏されてるようですね。
日本にはここ最近、毎年10月頃に来られています。
しかし、一番最近の来日は2016年の3月なので、今は春に変わってるのかも知れません。
そして、2017年にはヨーヨー・マさんのドキュメンタリー映画「The Music of Strangers」が、「ヨーヨー・マと旅するシルクロード」の邦題で公開されました。
映画の内容は、
ヨーヨー・マの幼少期からの映像や本人インタビュー、親交の深い
ジョン・ウィリアムズ、 タン・ドゥン、 ボビー・マクファーリンらの証言が収められている。 さらに名曲の演奏シーンやセッションの数々も盛り込まれ、文化の垣根を超え音楽を追求し続けるヨーヨー・マの生き方に迫っている。
となっていて、これを見ればヨーヨー・マさんがどんな人なのかよく分かると思います!
現在はDVDで発売され、ヨーヨー・マさんの深い音楽愛やなかなか聞けないようなエピソードを語ってくれたり、今まで見たことも無いような楽器が出てきたりと、見どころたくさんのDVDとなっています!