一枚3億円?世界一高額な写真家アンドレアス・グルスキーとは?

世の中には数多くの写真家がいますが、一枚3億円以上の値がついた写真家はそういません。

2011年にクリスティーズのオークションで、アンドレアス・グルスキーの写真「Rhein II」が、430万ドル(約3億3000万円)で落札されました。

これ以外にも高額で取引された写真は何枚もあり、高額写真ランキングでは常に上位にいます。

そんな高額な写真を撮る、アンドレアス・グルスキーとは一体どんな写真家なのでしょうか?

ちょっと気になったので調べてみました!

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アンドレアス・グルスキーってどんな人?

アンドレアス・グルスキー

アンドレアス・グルスキー
出典:http://ticket-news.pia.jp/

プロフィール

生年月日   1955年1月15日
出身地   ドイツ・ライプツィヒ
学歴    デュッセルドルフ美術アカデミー写真科卒

略歴

1977年  フォルクヴァング芸術大学で学ぶ
1980年  デュッセルドルフ芸術大学に入学し、写真界の巨匠ベルント・ベッヒャーに師事
1987年  デュッセルドルフ空港において初個展
1990年  90年代からデジタル技術を駆使した超リアルで巨大な作品を制作
2001年  ニューヨーク近代美術館で個展を開催
2004年  ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展
2011年  「ライン川 II」が史上最高額の約3億4千万円で落札
2013年  国立新美術館で日本初個展

アンドレアス・グルスキーの魅力とは?

アンドレアス・グルスキー作品のコンセプトは、グローバル経済が浸透した社会の代表的なシーンや建物、又は風景などを迫力ある大判作品として切り取る事です。

しかし、ただその場所を写すだけでは無く、被写体を分割して撮影した後、最新の技術を使って加工し、自分のイメージとして再構築して作品とします。

表現としては、抽象と具象、リアルと虚構、全体と細部、右と左など対比関係にあるものを一つの画面につなぎ合わせて表現します。

時にはその被写体には無かった物を、後から付け足す事もあるので、ある意味「純粋な写真作品」と言うのとは少し違うかも知れません。

どちらかと言えば、「コンセプチュアルアート」と言った方がしっくりくると思います。

こちらの作品集を見れば、何となく分かるかと思います。


この作品集にあるような風景は、実際には存在しませんが、アンドレアス・グルスキーの手にかかると魔法のように不思議な風景へと変わってしまいます。

アンドレアス・グルスキーは、そういった手法で、現代社会に潜む覆い隠された本質を、巨大な写真作品として発表する事で評価されてきました。

3億円の写真

そして、2011年のクリスティーズのオークションで「Rhein II当時世界で一番高額な写真として約3億3千万円で落札されました。

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この作品は縦1.9m、横3.6mという超特大サイズです。

1999年に撮影され、もともとあった工場や建物、自転車や人などはデジタル加工で全て消されています。

この作品がオークションに欠けられた時の説明では、21世紀における人間と自然の関係性の劇的で深遠な反映を写し取った作品だ」と説明されています。

ちなみに2014年までは、アンドレアス・グルスキーのこの作品が世界一高額な写真でしたが、現在はオーストラリアの写真家ピーター・リックによって塗り替えられています。

現在の写真作品の最高額は、ピーター・リックによる「Phantom」と言う作品で、落札価格は650万ドル(約7億8千万円)の値が付きました!

確かにキレイな写真ですが、たった一枚の写真に7億8千万って、この先一体どこまで行くのでしょう・・・???

そして、そんなアンドレアス・グルスキーは一体どうやって写真家になったのでしょうか?

アンドレアス・グルスキーと写真の出会い

アンドレアス・グルスキーは、父親もお爺さんも写真家だったようです。

なので幼少期から写真には縁があり、その流れでドイツ有数の写真学校「フォルクワンクシューレ」で本格的に写真を学びます。

一時期、ハンブルグでフォトジャーナリストを志しますが、考えを変えて数多くの芸術家を輩出している「デュッセルドルフ美術アカデミー」に入学します。

ここで教授をしていた「ベルント・ベッヒャー」との出会いが後の人生を決定付けます。

ベルント・ベッヒャーは、奥さんのヒラと共に「ベッヒャー夫妻」として活動し、コンセプチュアル・アートの要素を併せ持った質の高い写真作品で、1990年ヴェネツィア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞する程の優れた写真家です。

そのベッヒャー夫妻に師事して、約7年間夫妻の写真理論について学び、写真家であるとともに、表現者としてのキャリア形成の重要性を教え込まれました。

なので、アンドレアス・グルスキーの作品が、ただの写真では無くコンセプチュアルアートなのは、師匠であるベッヒャー夫妻の影響からくるものです。

こうして、1987年に初個展を開き、ここからアンドレアス・グルスキーの芸術家としての第一歩が始まりました。

作品制作の発想

アンドレアス・グルスキーは作品作りの発想を、

「普段からアンテナを張り、新聞や雑誌、広告など色々な物に目を通して自身の中でイメージを膨らませることが多いです。身近な風景であったり、難民キャンプのようなヘビーな光景にインスパイアを受けるときもります。」

と語ってる通り、普段の日常の中や世界のニュースからヒントを得てるようです。

今後もアンドレアス・グルスキーの身近にある物や、世界的なニュースになるものが、アンドレアス・グルスキーのフィルターを通してどんな世界に変わるのかが楽しみです。

ひょっとすると近いうちに、アンドレアス・グルスキーの写真がオークションにかけられて、今度は10億円で落札されたって言うニュースが聞けるかもしれません。

今後もアンドレアス・グルスキーの写真には注目です!

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